Androidアプリ公開手順まとめ 2015
ほとんど自分用のメモですが、Androidアプリの公開手順を書いていきたいと思います。Google先生の嫌がらせによってちょくちょく変更されるのですが、2015年2月時点での最新版を書いていきます。Eclipseなどでプログラムは完成済、という前提で話を進めていきます。
アプリ公開のためには、次のような手順が必要があります。
- apkファイルの作成(Eclipseなどで)
- apkファイルのアップロード(以下、Google Play Developer Consoleで)
- アプリの情報登録
- 価格と販売/配布地域の登録
- 「アプリを公開」ボタンを押す
Google Play Developer Consoleでの登録作業(2~4)は順不同で行えます。つまり、まだアプリはできていないけど、アプリの情報を登録しておくことはできる、ということです。アプリの情報は公開後に変更することもできますが、記入箇所が多く、空欄のままでは公開できない箇所が多いので結構大変です。
上で書いた項目を書いていきたいところですが、その前にやらないといけないことがあります。Google Play Developerへの登録です。
Google Play Developerへの登録
Androidアプリの公開は、Google Play Developer Consoleという場所で行うのですが、そのためにはGoogle Play Developerへの登録が必要です。この作業は一回限りです。
以下の4つのステップがあります。
- Googleアカウントでログイン
- デベロッパー契約に同意
- 登録料の支払い
- アカウントの詳細の入力
1と2はいいとして、3についてですが、25ドルの登録料が必要になります。支払方法はクレジットカードのみで、Googleウォレットというサービスを使います。支払いが済むと、Googleウォレットに自分のクレカ情報が載ってしまうので、イヤな人は削除しておきましょう(僕は当面Googleウォレットを使うことがないので、支払後削除しました)。お金を払うのは、登録するときの1回のみです。毎年払うお金はありません。
4でアカウントの詳細を入力します。デベロッパー名は、Google Playに表示されます。ただ、デベロッパー名や電話番号などの情報は、アカウント作成後でも変更可能です。
一応注意点としては、1でログインしたアカウント「だけ」がデベロッパーアカウントに紐づくということです。たとえば、一人で複数のGoogleアカウントを持っていた場合、あるアカウントでデベロッパー登録しても別のアカウントではデベロッパーサイトへログインできません。あとからユーザーを追加登録することもできますが、デベロッパーアカウントは上で登録したアカウントだけになります。デベロッパーアカウントとユーザーの違いは下のリンク先で詳しく書かれています。
アカウント ユーザーの追加と権限の管理 - Android デベロッパー ヘルプ
これで、Google Play Developer Consoleが使えるようになりました。
apkファイルの作成
まずは、apkファイルの作成です。apkファイルとは、Androidアプリのプログラム、設定、画像、開発者の署名などが入ったファイルのことです。これがあれば、Androidでアプリを実行することができます。なお、作業途中でLintエラーが出る場合については後述します。
Eclipseで、プロジェクトを右クリック⇒Androidツール⇒署名アプリケーション・パッケージのエクスポート、を選択します。もしくは、メニューのファイル⇒エクスポート⇒Android下のAndroidアプリケーションのエクスポート、を選択し、対象のプロジェクトを選びます。
すると、「Keystore」を入力するように言われます。これは、デジタル署名のことです。Keystoreを作ったことがない場合は新規作成をします。Keystoreの保存先とパスワード(2回)を入力します。Keystoreを過去に作ったことがあり、それを利用する場合は、そのファイルの場所を指定してパスワードを入力します。
次に、キー情報の入力を行います。
新しいキーを作る場合、エイリアスにはキーの名前、パスワードにはそのキーに対応するパスワードを入力します。Validity(years)は有効期限ですが、25年以上が推奨されています。その下は開発者情報ですが、すべてを埋める必要はなく、一部だけでも登録できます。なお、既存のキーを使う場合は、キーとそのパスワードの入力のみで、開発者情報の入力はありません。
最後に、apkファイルの出力先を指定すれば、完成です。
注意点は、Keystoreとそのパスワード、エイリアスとそのパスワードは、忘れないようにしておくということです。これは、アプリの更新時に必要になります。アプリをバージョンアップするときも、上と同じようにapkファイルを作る必要がありますが、同じ内容の署名じゃないとアップロードすることができません。実際に、別の署名をつけたapkファイルをGoogle Play Developer Consoleへアップロードしようとすると、次のようなエラーが出ます。
アップロードできませんでした
以前の APK とは異なる証明書で署名された APK をアップロードしました。使用する証明書は同じである必要があります。既存の APK はフィンガープリント「[ SHA1: xxxxx ]」の証明書で署名されていますが、アップロードした APK の署名に使われている証明書のフィンガープリントは「[ SHA1: yyyyy ]」です。
一度署名したKeystoreやエイリアスはあとで変更することもできませんので、忘れないように注意してください。
また、apkファイルの作成中にLintエラーが出てしまう場合があります。Lintエラーとは、「バグではないんだけどバグになりえるかも」みたいな箇所を教えてくれるんですが、これに対処しないとapkファイルが作れません。エラー内容を読んで、問題個所を修正するとか無視するなどの対応をしましょう。例えば「テキストの翻訳がないよ」というエラーがよくでるのですが、全言語の翻訳なんてできないので、個人的にはクイックフィックスで「無視」を選択しています。
さて、ここで作成したapkファイルは、実機で直接動かせます。実機をPCにつないで実機にapkファイルを移動して読み込ませたり、メールに添付して実機で開くなどでインストールできます。もし、アプリを一般公開せず、自分だけで使いたいなどの場合であれば、次以降の作業はしなくてもOKです。
apkファイルのアップロード
さて、apkファイルをアップロードしましょう。
Google Play Developer Consoleにログインし、「すべてのアプリ」から「新しいアプリを追加」ボタンを押します。言語とタイトルを記入して、「APKをアップロード」ボタンを押します。すると、「製品版」「ベータ版テスト」「アルファ版テスト」の3つのタブが表示されます。
「一部のユーザーにテストしてほしい」場合にはベータ版やアルファ版を使いますが、そうでない場合は「製品版」を選択し、APKをアップロードします。ボタンをクリックして、apkファイルを選択すれば終了です。
アプリの情報登録
続いて、アプリの情報を登録します。これが結構めんどくさいです。
タイトルはまぁいいとして、説明を2種類書かないといけません。80文字以内の「簡単な説明」と、4000字以内の「詳細な説明」です。両方とも必須です。
スマホなどの端末でPlayストア内のアプリを見た場合、まず「簡単な説明」が表示されます。テキストをクリックすると、簡単な説明も詳細な説明も表示されます。なので、詳細な説明の冒頭80文字を簡単な説明として登録しちゃうと、2重で表示されてしまいます。一方、PCで見ると、詳細な説明しか表示されないようです。つまり、「簡単な説明」と「詳細な説明」はそれぞれ単体で意味があるように書かないといけないということです。めんどくさいです。昔は、「簡単な説明」という項目はなかったようです。
つぎに、スクリーンショットです。少なくとも2つのスクリーンショットを登録しないといけません。大きさは、1辺320px以上3840px以下です。ファイル形式は、JPEGか24ビットPNG(アルファなし)です。「スクリーンショット」と言っていますが、「スクリーンショット」をそのまま載せる必要はなく、画面内に説明を追記することもできます。
なお、エミュレータでスクリーンショットをとるには次のようにします。Eclipseのウィンドウメニューから「パースペクティブを開く」⇒「その他」⇒DDMSを選びます。デバイスでエミュレータを選んだ状態で、カメラのアイコン(下の赤丸)をクリックします。
その後、「保管」を選べば、エミュレータのスクリーンショットがとれます。
アプリをタブレット向けにも設計した場合は、タブレット用のスクリーンショットを載せる必要もあります。
次は、「高解像度アイコン」です。512x512の32ビットPNG(アルファ付き)形式で作成しないといけません。アプリのタイトル横に表示されるものです。必須です。
さらに「宣伝用画像」も必要です。1024x500のJPEGか24ビットPNG(アルファなし)です。スマホなどで見た場合、アプリページの一番上にデン!っと表示されます。昔は必須じゃなかったのですが、今は必須です。
画像を使いまわして作成することになると思いますが、必要な画像が多く、作業は結構大変です。スクリーンショット2枚に高解像度アイコンと宣伝用画像。これを作らないとアプリ公開までたどり着けません。
なお、プロモーション画像やプロモーション動画を入力する箇所もありますが、これらは必須ではないです。
続いて、アプリのタイプ、カテゴリ、コンテンツレーティングを選択します。コンテンツレーティングとは、ユーザーの成熟度を指定します。アプリが危険な内容でなければ、「全ユーザー対象」で問題ありません。
最後に、連絡先とプライバシーポリシーを入力します。連絡先にあるメールアドレスは、公開されます。メアドの入力は必須です。ただし、開発者登録をした時のメアドとは違っていてもいいですし、アプリごとにメアドを変えても問題ありません。プライバシーポリシーも必須項目ですが、「今回はプライバシーポリシーのURLを送信しない。」にチェックを入れることができます。
ということで、結構入力しないといけない項目が多いです。説明文、スクリーンショット、アイコンと宣伝用画像は事前に準備しておかないと、公開までに結構な時間を使ってしまいます。
価格と販売/配布地域の登録
最後に、価格と販売/配布地域の登録を行います。
まず、価格について、有料にする場合は販売アカウントをセットアップする必要があります。また、有料アプリの場合は住所を公開する必要もあり、個人でやるのはかなり敷居が高いと思います(ということで、僕はしたことがありませんが)。
配布する地域は、「すべての国」で問題ありません。日本だけで配布してもいいのですが、あえて制限する必要はないかなと思います。
他の項目は適宜入力します。
「アプリを公開」ボタンを押す
必須項目が埋まらないと、公開ボタンがおせません。どの項目をうめないといけないかがわからない場合は、画面右上にある「公開できない理由」をクリックすると、対応しないといけない項目が表示されます。
すべての項目を埋めると、「アプリを公開」ボタンがおせるようになります。これをおしてしばらくすると、Playストアからアプリがダウンロードできるようになります。
なお、ドラフト状態(アプリ公開前)であればアプリを削除することはできますが、一度アプリを公開すると削除することはできません。非公開にはできますが、削除は不可能になります。
最後に
というわけで、Androidアプリの公開手順でした。ここに書いてある内容も、これからちょくちょく変わっていくことが想定されますが、当面はこの手順でいけると思います。どんどんアプリを公開していきましょう!